ドラクエ10のAI(サポート仲間・仲間モンスター・幻魔・ボス)について担当スタッフのインタビューを読んで思ったこと

2018年6月16日土曜日

ドラクエ10

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今回はドラクエ10の開発スタッフがAINOW(エーアイナウ)という人工知能に関するネットメディアのインタビューに出ている記事があったので、それを読んで思ったことなどを書いていきたいと思います。

そのインタビューの記事はこちらです(一応読まなくてもある程度わかるように説明したいと思います)。

【ドラゴンクエストX】プレイヤーを楽しませる、絶妙なバランスのゲームAIと大規模データを支える仕組みとは?


インタビューに答えているのがドラクエ10のフレームワークプログラマーの方とバトルプログラマーチーフの方のお二人です。

質問しているホストがそのAINOWの編集長の方でドラクエ10を発売日からプレイしているそうです。

AI(人工知能)に特化しているメディアらしいので、その記事でもドラクエ10のAIに関する話が中心になっていました。

とはいってもここでAIに関する技術的な話をしても仕方がないので、その中から割とゲームをしていて参考になりそうなところなどを書いていきたいと思います。

サポート仲間と仲間モンスター(幻魔も含む)のAIの違い

なんとなくドラクエ10をプレイしていると実感しているところだと思いますがサポート仲間と仲間モンスターでAIが異なっているそうです。

いくつかありそうですが、インタビューではその中の1つだと思いますがサポート仲間同士では行動が被らないようにしていて、仲間モンスターは個々のAIで状況を判断して行動しているそうです。

確かに蘇生職が2職いる時とかに、片方がザオラルをしてもう片方がベホマラーしているというのをよく見かけるような気がします。

サポート仲間は全体を見るようになっているところが仲間モンスターと異なっているそうです。

ちなみにサポ僧侶とかが未来を予知するかのように素早く蘇生してくれるのは担当者が堀井さんと話し合った時にその仕様にすることにしたそうです。

わざわざ遅らせるために調整するくらいならそのほうがいいみたいな感じでしょうかね。

仲間モンスターはなんとなくマイペースに行動しているような感じがします。

かなり前なので今は違うかもしれませんが、昔ドラキーにザメハを覚えさせていたのですが、ドラキーが敵に眠らされて、もう一匹の敵にすぐ攻撃されて目を覚ましたとかの状況だったと思うのですが、その直後にドラキーが自分自身にザメハをしてミスになっているのを見たことがあります。

もう起きてるやん、っていうか起きてるからザメハできるやん、って感じだったのですがまあ微笑ましく見ていましたけどね。

天地雷鳴士が召喚する幻魔も仲間モンスターのAIをベースに作られているようです。

カカロンがなかなか蘇生してくれないというのはよく見かけます。

それでもあくまでベースということなので、サポート仲間みたいに全体は見てくれないところが仲間モンスターと共通しているという感じで、実際は仲間モンスターと幻魔のAIも結構違うような気がします。

聖守護者だと死んでいる仲間を蘇生した時に、キメラだったらザオラルをキャンセルして天使の守りを使ってくれたりもしますがカカロンはキャンセルしてくれないので蘇生が被ったりしますね。

ちょっと説明が難しいのですが、キメラはザオラルの吹き出しが出ていても詠唱前ならキャンセルしてくれます。

カカロンは詠唱前に死んでいる仲間を生き返らせれば別行動をとってくれますが、ザオリクの吹き出しが出ていたら蘇生が被ってもキャンセルしてくれないという違いがあります。

あと仲間モンスターはサポート仲間みたいに作戦を変えることができますが、幻魔には作戦を指定することができないので、仲間モンスターよりも幻魔の方がよりマイペースになっているのかなと思います。

その辺りは天地雷鳴士と幻魔をセットで1人というバランスを意識しているようなので、幻魔が強すぎないように調整しているところもありそうです。

それでいくと聖守護者などでベホマラーを切ったキメラが蘇生マシーンみたいになっているのも納得することができる感じでしょうか。

サポ僧侶だと全体を見てしまうため、蘇生をして欲しい場面でHPが少ない仲間がいるとベホマラーを優先してしまうという感じなのかなと思います。

ここからはボスモンスターのAIに関する話で思ったことなどを書いていきたいと思います。

ボスモンスターのAIについて

ボスモンスターのAIについては高度で難しいAIではなく基本的なゲームAIのアルゴリズムを使用しているということでした。

確かにハイエンドコンテンツなどでも押し合いからの反撃とかもありますが、敵の動き自体は結構シンプルだったり行動パターンもいくつかの選択肢からランダムに選ばれている(特技によっては2回連続してこないとかの調整はあると思いますが)感じですからね。

他にもプレイヤー側の行動や状況でもボスのAIが対応している場合もあるようです。

ざっくり簡単に説明するとボスは強い特技とかで調整していて、行動パターンは割とシンプルに作られているという感じでしょうか。

これが高度で複雑なAIを積んでいたとすれば、聖女が掛かっているプレイヤーには多段攻撃を優先して選んだり、雷耐性が甘いキャラに雷属性の攻撃を優先したりして、意地悪な敵を作る方向にすることもできるということなのかもしれませんが、そういうのはやっていないということになりそうです。

ちなみにレグナードは担当プランナーの設定が良かったらしく開発内でも評判が良かったそうです。

聖守護者でのキラーパンサーについては全く調整していなかったので、話題になった時は焦ったらしいですが、特に問題がある動きとかはしていなかったので良かったという感じらしいです。

逆にいえば先程の仲間モンスターのAIが全体を見ないという仕様が、キラーパンサーの場合は聖守護者での戦いに向いていたということなのかもしれません。

あとハイエンドのボスについては、開発側がやっているのはボスのパラメーターと新しいアクション要素の調整がほとんだそうです。

確かに聖守護者では強さごとに敵の重さとかはかなり絶妙なバランスに変化していると聞いたことがあります。

実際は開発側が想定していたパラ構成が主流にはなりませんでしたが、ざっくりまとめますとユーザーが攻略方法を考えていくことが健全な姿だと考えているため、キラーパンサーとかはよく見つけたなと感心しているし、ユーザーが楽しんで攻略してもらえるコンテンツを用意することが大事だと思っているそうです。

4.2のアップデートの前くらいにディレクターの安西さんがレベル解放と新武器で強くなってハイエンドコンテンツも戦いやすくなるというような発言をされていて、レベルが上がっても新武器でもあまり強くなっていないじゃないか、というような意見を何度か見たことがあるのですが、これらのことを踏まえますと、重さが上がってパラ構成で戦いやすくなるみたいなことについて言いたかったのかなという感じがします(それでもパラ構成が主流になっていないので微妙かもしれませんが)。

絶対に倒せない敵とかも作るのは可能でしょうけど、その辺のバランスが難しいんでしょうね。

主に調整しているのがボスのパラメーターと新アクションということなので、だいたい今後も強いボスはスペック的に強くて、新しい技だったり既存の技の組み合わせについて対策をしていくという感じになるのかなと思います。

これまでの敵の行動パターンもかなり種類が多くなってきていると思うので、既存の技の組み合わせで強い敵というのも作れそうですし、もうそれだけでも無限に近い組み合わせのボスが作れそうなので、そういうところでも調整していくのかなという感じがします。

実際に新しいギミックを追加しないのであればプログラマーじゃなくてもプランナーだけでボスを作ることができる仕組みなどが開発現場にはあるそうです。

サブクエストとか、期間限定イベントの敵とかはそんな感じで作られているのもあるかもしれませんね。

ここからはゲーム内でのAIに関する全体的な話について思ったことなどを書いていきたいと思います。

天才肌のバトルプランナーと初代ディレクレクターの存在

アップデートごとにスキルが追加されたり、レベル解放や新武器や防具が追加されたりしても絶妙なバランスを保っているのはAIでバランス調整をしているのか?というような質問がありました。

それに関しては自動化できないところもあるため、それは天才肌のバトルプランナーが調整しているということなので、手動で行われていると考えて良さそうです。

天才肌のバトルプランナーといえばあの方っぽいですが、あえて名前は出しません。

サポート仲間のAIの調整に関しても敵やスキルごとに行うと大変なので、初代ディレクターの藤澤さんが残した、HPとレベルだけで調整することができる計算式をベースに行っているそうです。

ドラクエって歴代のもそうですがレベルとその敵に戦う時のバランスが絶妙なところが他のRPGに比べてすごいところだと思っているのですが、おそらくそうした計算式のようなものが残っていて、ドラクエ10でもそれを元にしているという感じでしょうか。

それでも今回のバージョン4.2でのレベル105までの解放は成長としては鈍化している傾向があり、この辺はそろそろ初代ディレクターの計算式には合わなくなっている可能性もあるかもしれません。

それにしてもバトルバランスの大事な部分は開発スタッフが手動で行っているということでもあるので、その辺はやはりまだ完全にAIには任せていないというところがプロというか職人っぽい話で興味深いと思いました。

インタビューには他にもRMT(リアルマネートレード)の検出する仕組みとか、日々貯まっていく膨大な量のバトルデータやログなどをどのように活用しているかの話がありますが、今回はここまでにしたいと思います。

ここからはドラクエ10とはあまり関係ない話も書きますので、興味がない方は飛ばして下さい。

最後に

AI(人工知能)関連の話では、ドラクエ10とはあまり関係ないのですが、以前NHKのAI特集の番組を見た時に、SNSで感想みたいなのを書いたら、AIを研究している組織の職員の方から返事をもらったことがあったので、その時のことを思い出しながらざっと書いてみたいと思います。

そのNHKの番組では取材をしている番組のスタッフが「すげ~」とか言ってて、NHKももうなんか終わってるなと思ったりもしたのですが、番組を見ていて、これってAIなのか?と思ったことがありました。

それはどこかの地域のタクシー会社とドコモが共同で開発したシステムで、今どこに行ったらお客さんがタクシーを拾ってくれるかみたいな感じのことを地図に表示してくれる機能でした。

これまでの様々なデータを元に、この時期のこういう天気でこれくらいの時間になると、ここでタクシーを利用してくれる確率が高いみたいな感じで、期待度を色とかで表してくれたと思います。

でもそれって、過去のデータと今の状況が近かったら告知しているだけで、人工知能っていうのとは違うんじゃないかなというような感じのことをどっかに書いたんですよね。

それでそのAIの研究所の職員みたいな人から来た返事が、正確には忘れてしまったけど、今後もデータを蓄積してより正確な告知ができるようになれば、それもある意味では学習しているのでAIの定義には含まれますよ、という感じのことでした。

確かに、例えば、夏の晴れた日の夕方にはこのデパートの近くでおばあちゃんが乗ってくる可能性が高いという告知をしてくれても、それは実はその辺りでちょうどいいバスの時間がなかったとかの場合にその後バスの時刻が変わったりして誰もタクシーに乗らなくなったとすれば、そんなに乗ってくれないというデータが蓄積されていって、同じような状況でも告知しなくなっていけば、学習しているっぽい感じになります。

今の例えは適当に自分で考えましたが、だいたいそんな感じで納得することができました。

そのあとその職員みたいな人に、ドラクエのAIについても質問したりもしたんですよね。

その人はドラクエどころかゲーム自体をやっていないみたいでしたが、ドラクエ4ではクリフトが即死が効かないボスキャラにザラキを使ったりするという話などをしたら、それはAIとしても初歩の段階ですね、みたいなことを言っていました。

なんかゲーム機のハードみたいな感じで、AIにも世代があるみたいですね。

その時はファミコンのドラクエ4の話だけだったので、AIとしては初期の頃のなんとかの世代でっていう感じでしたが、ドラクエ10では移動干渉もありますから、おそらく今のドラクエで使われているAIも相当進化しているんだろうなと思います。

その一方でドラクエ10はオンラインゲームなので、他のプレイヤーと一緒に戦うというのが面白いところでもあります。

なので、サポート仲間のAIというのも大事なのですが、人間が操作するということの楽しさも同時に経験することができるという意味でもドラクエ10の魅力があるのかなという感じがしました。

やろうと思えばAIの方を強くすることもできるとは思いますが、人が操作することの楽しさみたいなものも大事になってくると思うので、特にMMOは商売として考えてもその辺のバランスが難しいんだろうなと思います。

そういう意味でもドラクエ10は身近にあるAIの1つでもあると思うので、こういう感じで調整しているんだ、みたいな話を読むことができて良かったと思います。

ちょっと専門的なこととかはわからないので、上手く伝えられていない部分もあるかもしれませんがざっと読んで頂ければいいかなと思います。


※画像は今回の記事とは関係ありませんが来週お宝の写真が更新されて、赤の錬金石がもらえたり、PTを組めば自動で写真が共有できたりするようになったそうです。

今回はこの辺で終わりにします。

読んでくださってありがとうございます。

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